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IPOニュース 2018.01.23

IPOその後-PKSHA TECHNOLOGY

PKSHA TECHNOLOGY2017年9月22日にIPOしてから4ヶ月程度がたちました。

9月決算の会社ですので、上場してから最初の決算期となる2017年9月期の開示も終えました。

>>PKSHA TECHNOLOGYのIR

 

今回は、IPOの初値5,480円が公募価格2,400円の約2.3倍となったPKSHA TECHNOLOGYのその後の株価や、IPO前の業績・資本政策をチェックしていきます。

ビジネスモデル

深層学習技術(Deep Lerning)が持つポテンシャルと価値創造が創業のきっかけでした。
 

 

 
現在は、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心に複数のアルゴリズムモジュールを開発しています。
 
事業モデルとしては、①自社アルゴリズムソフトウェア製品の展開、②他社製品へのアルゴリズムライセンスの2つに大きくわかれます。
 
元々は他社製品の割合が大きかったですが、2017年9月期に自社製品の売上が大きく伸びました
(出処:成長可能性に関する説明資料、決算説明資料)

Iの部に記載している事業系統図は以下のとおりで、BEDORE(汎用型対話エンジン)のみ子会社で展開しています。

教師データ:機械学習を行う上で、学習の元となるデータ

(出処:Iの部)
 

 

今後の注力エリア

アルゴリズム技術の応用展開により、ホームデバイス・スマートカー領域への展開が見込まれています。
 

 

(出処:決算説明会資料)
 

業績推移

PKSHA TECHNOLOGYは創業以来、売上・利益ともに右肩上がりですが、スタートアップにはめずらしく、創業期から常に黒字で推移しています。
 

 
「当社グループは、アルゴリズムライセンス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。」として、自社製品・他社ライセンスの区別による業績開示はありません。

9月決算である一方、9月に上場したため、実態としては2017年9月期の着地が見えたタイミングでのバリュエーションが行われたと推察されます。

資本政策・資金調達


(出処:Iの部等からの推計、マーケットデータ)

*シリーズA、Bにつき株式種類の記載がありませんでしたが、わかりやすさのために上記の表現にしています。


IPOの直近ラウンドが上場日の1年前で、バリュエーションは150億円程度です。競合(同業)といわれるPreferred Networks社も未上場ながらかなり高いバリュエーションとなっていますので、本格派AIスタートアップをこのフェーズで評価するのであれば、これくらいが妥当なのかもしれません。

また、公募価格ベースで257億円、初値ベースでは586億円をつけており、2017年9月期の当期利益が2.7億円程度であることを考えると、マーケットからもかなり高い評価を受けたことが見てとれます。

さらに、PKSHA TECHNOLOGYの株価はIPO後に急上昇を続けて、時価総額は2018/1/22時点で1,644億円に達します。初値から見て3倍弱!いわゆるAI銘柄の本命として、業績からは説明がむずかしいくらいに高く評価されており、しかもその評価が一時的なものに留まっていません。


 

上場後の株価推移はこちらです。


(出処:日経新聞スマートチャート)
 

資本政策のポイント

*これから資金調達するスタートアップCEO・CFOの参考になることを目的に、推計値に基づいて記載

シリーズAの資金調達が2016年5月(IPOの1年4ヶ月前)に1.5億円、ポストバリュエーション31.5億円程度で行われています。


・続けてシリーズBが2016年10月に行われており、調達額2.5億円・ポストバリュエーション150億円ですので、Aから5ヶ月しか経っていない中でバリュエーションを5倍程度まで伸ばしています。


シリーズA・Bともに直近の決算である2016年9月期を見ると、売上460百万円・当期利益は116百万円でした。その前の期である2015年9月期にも当期利益を1億円出していますので、IPOの確度がかなり高くなった状態で調達をしています。投資家サイドとしてもExitシナリオや協業シナリオを描きやすく、ハイバリュエーションを正当化するための材料がこの時点で一通りそろっていたものと考えられます。


IPOの公募バリュエーションは306億円、初値で700億円まで上がったため、未上場時の投資家は概ね4~23倍程度のリターンとなりました(その後はさらに株価上昇して2018/1/22の時価は2,000億円弱程度)。なお、IPO時の売出に参加した株主はおらず、少なくとも現時点の株価からはこの判断が正しかったことが証明されています。


・上場後に確定した申請期(2017年9月期)の当期利益268百万円をベースにすると、IPO時のPERは公募株価で114倍、初値で261倍でした。見込PERは523倍程度(2018年1月22日時点の時価1,644億円・2018年9月期の見込利益3.7億円から計算)ですので、元々バリュエーションがつきやすいAI銘柄の中で、黒字化まで達成しているPKSHA TECHNOLOGYに対するマーケットの期待値の高さが伺えます。

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